2019/08/26 23:04

今回はフランス語バージョンを。
フランス語で帽子のことは『 Chapeau 』と言いますが、
帽子屋さん、帽子の工場、小さなアトリエなども含めて帽子業界のことを一般的に『Chapellerie シャペルリ』と呼ぶようです。(う~ん、発音が難しい。。。)
余談ですが、ハムやソーセージなどのお店のことをCharcuterie シャルキュトリ、パン屋さんをBoulangerie ブーランジュリと呼ぶので、フランス語では販売店を指す単語にはスペルの最後にrieが付くのかしら。。。他は思い浮かばないのだけど。。。



[[[ CHAPELLERIE ]]]フランスの帽子百科事典から
Ce terme évoque lindustrie chapelière en général , et englobe aussi bien lusine ou le petite atelier que la boutique du détaillant chapelier. 
La chapellerie, au niveau de la fabrication, comprend celle du feutre, de la paille et des chapeau de tissu.
Le terme de chapellerie évoque le plus souvent , et à tort,
la fabrication du chapeau masculin ; 
on attribue alors la fabrication du chapeau féminin au ( à la ) modiste.
La chapellerie, englobe en fait les chapeaux d'homme et de femme fabriqués en série, à la différence de la modiste, qui crée des pièces sur mesure.

英語の『Millinery』がフランス語では『Chapellerie
英語の『Milliner がフランス語では Modiste モディスト』


そのほかの帽子職人を指す呼び名としてはソムリエやパティシエのように、
『男性にはChapelier シャプリエ・女性にはChapelière シャプリエール』という呼び名もあります。
私の印象では『Modiste』の方が一般的な気がします。婦人帽子職人限定になってしまうかもしれませんが。
私の師匠はフランス帰りな方だったので、『Je suis Modiste.私はモディスト』とよくおっしゃってました。



CHAPELLERIEの由来は謎なのですが、Chapeau の語源のになっているのは多分『Chapelet チャプレット』
新鮮な花の冠のことで、中世ヨーロッパ時代には男女問わずかぶっていたそうです。金や琺瑯細工のChapeletもあったよう。
また中世初期は男性のかぶりものにChaperonシャプロンというPhrygian-shaped hoodフリジア型のフードや、Cowlカウルと呼ばれていたマントについたフード、顎紐付きのCoifコイフが人気だったそうなので、これらが語源になっているのかも。
https://en.wikipedia.org/wiki/Chaperon_(headgear)
Modisteの代表的デザイナーには、
CHANELの帽子も手掛けてる、
Maison MICHEL https://michel-paris.com
 
亡くなってしまっている方々なのですが、
Mme Paulette マダムポーレット https://fr.wikipedia.org/wiki/Paulette_(modiste)
5年ほど前に回顧録が再出版されました。
Hats by Madame Paulette: Paris Milliner Extraordinaire   Annie Schneider
 https://www.amazon.co.jp/dp/0500517312/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_U58yDbZWVSSPC


Jean Barthet ジャンバルテ氏 https://fr.wikipedia.org/wiki/Jean_Barthet
グレースケリーや ソフィア・ローレン、ジャクリーン・ケネディなどの帽子を手掛けた方です。
*ちなみに我が師匠、小林時代(トキヨ)は、1966~1968年までMme PauletteJean Barthetのアトリエで修行していました。
フランスの帽子事情はこちらのサイトを参考に(帽子業界組合みたいな団体です)
http://chapmod.com/fr